『ものづくりの数学』講演会

2022/4/10『ものづくりの数学のすすめ』の著者,松谷先生の講演会を開催しました.毎週日曜日に開催している,「動画で学ぶデータサイエンス」の勉強会の70回記念講演です. 先生の著書『線型代数周遊』,『ものづくりの数学のすすめ』を読んだのがきっかけで twitter でお声がけしたところ,快く引き受けてくださいました.当日の講演では,いくつか心に残ったキーワードをご紹介します.先生のサイトはこちら.当日の講演資料と講演録画はこちらです. 先生は,純粋数学の論文も書きながら,現場の技術者としてキャリアを歩まれてきた,「純粋数学者脳を持つ技術者」です.そんなご経験と知見の中から,今回のお話しの趣旨は,以下の問いです. 数理物理、応用数学、純粋数学の研究者としてまた、企業の現場,管理業務の経験者として、 数学はどう役に立っているのか? 数学はどう社会と向き合うべきか? 社会は如何に数学と向き合うべきか?という問いの答を見出すべき! 以下では,いくつかぼくの心に残ったキーワードをご紹介します. 日本のものづくりの生き残り方 これは日本の大きな産業を取り巻く社会構造論の話.ぼくたちが学生時代に社会の授業で言われていた「加工貿易国」としての日本は,もうない.ほとんどのシステム商品が輸入になってしまった.さて,これをどうする?生き残る道は2つだよ,そして,その中で数学が重要な役割を果たすよ,というのが先生のお話しです(先生の描いた道筋はぜひ,冒頭のリンクからスライドをご覧になってください). Problem Builder になれ 技術に上流と下流があり,アカデミックが上流でそこから下流に活用技術がある,と考えるのは間違いである.現場での各パラダイムを代表する専門家の異分野融合が大事.そのための言葉として数学. そして,このチーム活動は,アジャイルソフトウェア開発である,スクラムのモデルにも沿っていると. また,大学側が企業に与える「リカレント教育」という上から目線になってはいけない.企業の課題の立問こそが,王様だと.Problem Builder になれ.Solve しなくてよいと.Solve は問を言葉にできたら,極論すれば大学にアウトソースすればよいのだ. ニュートンよりライプニッツになれ そして,その立問の言葉が数学.ニュートンが F=ma を書いたのではない.ライプニッツが導入した記号が発展を導いた.無理にでも言葉にせよ. 刀を抜かずに切る 確か,なんでも行列で計算してしまおうという,表現論の文脈の話だったと思います.そんなことをしなくても,群論という抽象代数の世界に持っていくことで,計算せずとも解けてしまうことがある.抽象的な言葉で立問するだけでよい.「刀を抜かずに切る」. カタにはまるな そして最後に,スタイルを捨てたスタイル.ソリューションや得意技から最初に決めてかかってはいけない.問題とその対象そのものをどう見るか,そこ,なんだと. みなさんの反応 最後に,参加者のみなさんとスクリーンショットを撮りました. 頂いたアンケートの抜粋です. 数学は、専門家を繋ぐ共通言語であり、高度な数学が実際に活用されている事例を知ることが出来たこと。 実社会、企業と大学、企業内での必要性という広い視点から数学の重要性をしれたこと プロブレムビルダーに回ることが重要である、という視点 プロトタイプは圏論で、そして、それがポリモーフィズムに通じるというつながりを得られたこと 中学高等学校だと、数学が苦手な生徒から「社会に出て役に立たないでしょ」って言われがちだけど、今日は「その解決は数学にあり」みたいな話でワクワクした。 書籍のステキなイラストを松谷先生が書いているのだと知りました! めちゃくちゃ面白かったです。飛ばされてたスライドとかもぜひ見たかったです。もし、可能であれば、今回のご講演の録画を公開して頂けると大変ありがたいです。何度でも見たいと思いました。 武井さんが,講演を文字起こした文章とチャットからのワードクラウドです.数学・企業・大学・問題線形代数・結局・日本人・異分野・課題・勉強・活用・思い・意味・考え・自分・今などなどの言葉が見えます. 先生,ご参加されたみなさん,活発な質問も,どうもありがとうございました.議論のモデレータをしていただいた羽生田さん,講演の準備をしていただいた,武井さん,岡さん,またやりましょう!

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2021 個人的ふりかえり

2021年も31日を向かえ,久しぶりに自分自身の活動を振り返ってみます.パーソナルな話です. 会社の事業面 永和システムマネジメント,チェンジビジョンともに順調に利益を出せる状態になっていて,実際に推進している事業部長たち,現場で活動している社員には感謝ばかりです.永和システムマネジメントでは, Agile Studio への見学が200社 1,000名を超えた. Scrum Inc. の公認の「認定 Scrum マスターセミナー」を初開催,継続して席が埋まっている. 5期連続(夏冬賞与に上乗せで)決算賞与が出せ,今期はじめに給与も大きくベースアップできた. 受託部門の売上の50%がアジャイルになった. 福井でも東京でも中途採用が増えた!(まだまだ募集中,こちらへ) 機械学習のチームを作った. アジャイルコミュニティ Agile Japan はじめとするコミュニティ活動も今年多く登壇した.また,学校や企業さんに呼ばれてお話しもさせていただいた.昔からの仲間が講演に呼んでくれるのはとても嬉しいし,新しい仲間ができるのもまた楽しい.及部さんと出版記念講演を数度行ったこと,XP祭り,ふりかえりカンファレンス,スクラム札幌でキーノートさせて頂いたり.アメリカの川口耕介さんと絡めたのも思い出深い.あと,福井でも2回講演を行ったが,両方とも福井新聞に出て近所や社員の家族からコメントもらう,というのも福井ならでは,だった.また,野中先生と友好関係が深くなり,ちょくちょく直電で会話するようになった.「平鍋くん,こんなことを考えたんだがどうかね?」がいつもの電話の切り出し. そうだ,今年は「アジャイル開発とスクラム第二版」を野中郁次郎先生,及部さんと出版したのだ! 1/8 – RSGT2021 「野中郁次郎のスクラム再訪問」 (野中先生自身のキーノートも) 1/27 – AITC 「アジャイル開発とデジタルビジネスの潮流」 2/18 – 福井市高志高校 2/25 – 株式会社エーザイ 3/10 – NTT コム ソリューションズ 4/10 – ふりかえりカンファレンス 4/10 – NTT Communications 4/23 – Agile Studio 「アジャイル開発とスクラム第2版で伝えたかったこと」 4/24 – […]

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The Art of Linear Algebra – Graphic Notes on “Linear Algebra for Everyone” by Gilbert Strang

I just finished a short article based on Prof. Gilbert Strang’s new book “Linear Algebra for Everyone”. It is called “The Art of Linear Algebra – Graphic Notes on ”Linear Algebra for Everyone.” Prof. Strang helped me a lot and gave a kind Foreword to it, how nice ! A full paper is hosted at […]

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Scrum Master THE BOOK 読んだ

話題の新刊、『優れたスクラムマスターになるための極意ーメンタルスキル、学習、心理、リーダーシップ』を手にしました。オリジナルの書籍名は、 “The Great ScrumMaster: #ScrumMasterWay” です。 悩めるスクラムマスターを勇気付ける、考え方やツールがコンパクトにまとまっていて、イラストもふんだんなとても読みやすい本です。 序文をリンダライジングが書いている 日本語序文は永瀬さんとロシェル・カップさん 日本のスクラム実践者、現役スクラムマスター、プロダクトオーナーが訳者陣! ということで、安心して読めますし、ずんずん読み進められました。 スクラムマスターは、いつでも「悩める存在」です。チームに助言を与えたいのですが、まずは、自分が悩むでしょう。ときには悩み込んでしまってなかなか答えが出せないときもあります。そんな時、どんな指針にしたがって行動したら良いか、、、、先輩スクラムマスターに聞くのもよいでしょう。この本は、そんな悩めるスクラムマスターが開く本として、大切な「考え方」が書かれていて、とてもお勧めできる本です。一家に一冊です(まさにバイブルか五輪書!)。 また、ファシリテーション、コーチング、メンタリング、などのチームとの寄り添い方、コミットメント、説明責任、衝突、責任転嫁、などの責任と役割の話、Positivity などの最新心理学、などなど、読みどころがたくさんあります。 もう1つのお勧めは、ツールボックスとして、根本原因分析、インパクトマッピング(!)もとりあげられていることです。 ぼくとしては、2013年に Impact Mapping を訳しているので、これがツールとして紹介されるのは、とても嬉しいことです。ゴールを達成するために何が効果的か、という作戦作りにうまく機能します。 解説スライドもこちらにあります。 これを訳したときに、解説ビデオを作ったので、こちらもよろしければどうぞ。 訳者陣の方々、いい本を訳してくれて、ありがとうございました!悩めるスクラムマスターに福音となりますように。

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ICONIX を使ったオブジェクトモデリング

OOC = Object-Oriented Conference でお世話になった hiro さん(@hirodragon112)の、#astah セミナーシリーズに参加してきました。 最近アジャイルばかりの話題を書いていて、ソフトウェアデザインの話題は久しぶりです。当日のスライドはこちら。 hiro さんはゆっくり「オブジェクト指向」という言葉の意味や捉え方かたはじめ、 「外部知識が捕捉される」モデルの重要性 を前半で、後半でユースケース分析、ロバストネス分析、を通じてドメインモデルが洗練されていく様子を解説していただきました。(Akaponさんのマインドマップによるレポート) 私も、アジャイルで最低限キープするモデルとして、「1.アーキテクチャ」、「2.ドメインモデル」、「3.キーユースケース(1,2)」を上げています。よく考えると、キーユースケース(2のCommunication 図)は、ロバストネス分析そのものですね(そう書けばよかったな、と今思っている。スライドこちら「アジャイル時代のモデリングと astah さくさく活用」) hiro さん、バウンダリオブジェクトを「横メロン」と呼んだのはさすがですね!astah では、「バウンダリ(横メロン)」、「エンティティ」、「コントロール」などのアイコンをデフォルトでサポートしているので、ぜひ使ってみてくださ。詳しくは、こちらの資料を参照ください。 おーひらさんも、すばやくレポートしてくれました! 以前に、石川さんにも、 astah を使ったICONIX モデルの書き方の記事を書いていただいていました。 ICONIXプロセスのロバストネス分析をastah*でやってみたお話 hiro さんありがとうございまいした(正しい hiro さん)!

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Agile Studio は福井から日本全国へ

コロナ時代において、リモートワーク、リモート開発、リモートマーケティングのスタイルがどんどん変わっていますね。 アジャイルスタジオは、当初、福井でのお客さまとの共創・共育拠点として立ち上げましたが、これを期に、東京ー福井ー沖縄の永和メンバーを結び、東京のアジャイルコンサルメンバーも入り、リモートでのアジャイルコーチングや開発支援を提供しています。 リモート受託開発ももちろんですが、リモートコーチング、内製化支援、リモートでのアジャイルチームの立ち上げ支援、展開支援もサービス提供します。 本当は、福井にみにきて!といいたいのですが、今は「リモート見学」が可能です。会社単位で応募いただければセッションを企画しますのでぜひ!

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Management 3.0 Japan カンファレンスと、『リモートワーク―チームが結束する次世代型メソッド』

9/12(土) Management 3.0 創設者の Jurgen Appeloさんと、Work Together Anywhere の著者、Lisette Sutherland さんのダブル基調講演で開催されるようです。 http://management30.jp/m30jpcon/ ”Work Together Anywhere” は日本語訳が出ています。 TED にも出てたLisetteさんの話を聞いてみたいなぁ。リセットサザランドさんの、Work Together Anywhere. TED talk. はこちらです。 速いインターネット ヘッドセット などの基本に加え、「カメラだけ常時onパターン」、「音声だけ常にonパターン」、「バーチャルオフィス」の3パターンが面白かった。特に、「ミーティングをスケジュールするより、ドアノック」というのが会話パターンとして必要だというのは強く納得する。 「テレプレゼンス」はまだやったことないなぁ。確かに首振り、だけでもだいぶ違うかも。Management 3.0 Japan カンファレンスで、講演聞けるそうです。 http://management30.jp/m30jpcon/ 9/12(土) 。申込はもう始まっています。

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