IPAからアジャイル版「情報システム・モデル取引・契約書」でたよ!

IPAからプレス発表がありました。 DX推進に向け、アジャイル開発版の「情報システム・モデル取引・契約書」を公開 https://www.ipa.go.jp/about/press/20200331.html ざっと見た内容をお伝えします。この特徴や意味についてです。 スクラム用語に統一 アジャイルはもちろんスクラムに限った話ではありません。でも、今回の成果物に出てくる用語と基本となるプロセスフレームワークはスクラムです。ソフトウェア開発の技術的詳細に立ち入らず、プロセスの枠のみを提示しているスクラムが、こういった契約などの問題を扱う際にはちょうどよい語彙なのだと思います。もちろんスクラムはXPと共存もできるので、プロセス面の用語としては、スクラムの定義を持ってくるのが分かりやすでしょう。 さらに、現実的にはスクラムが一番普及している、ということもあると思います。そして、これからアジャイルを組織的にスケールさせる場合も、スクラムを由来とするフレームワークを用いることが多いと思いますので、この選択はとても分かりやすかったと思います。 日本の産業構造への適合 「ユーザ企業」、「ベンダ企業」、「発注」という言葉が出てきます。これは日本で非常に強く残っているSIの形で、ユーザ企業側にIT人材がほとんどおらず「ITは発注されいている」という状況を構造として表しています。現在、Web系の企業や2000年以降に起業した企業はこの形を取っているところは少なくなっているでしょう。また、ユーザ企業でもソフトウェアの内製化が進んでいます。 とはいえ、この構造の中でどうするのか、という考えがないと話が進まないのです。ここを見捨てて、それは古いよ、これからは内製だよ、と言ってしまうと、日本の現在ソフトウェアエンジニアの6-7割を見捨ててしまうことになると思います(ぼくも出自がそこだから逃げ出さずになんとかしたい)。なので、この形での「契約と取引」に踏み込んだことは、とても意味のあることだと思うのです。 チーム体制、特にPO その中で、POが発注側の役割だ、としたのが特によいと思います。こうでないと、「丸投げ」から脱却できないのです。少なくとも要件の変化が激しく市場変化に対応したい、というのが目的であれば。 準委任契約 契約は2社間のものなので、どんな形でも本来よいのですが、日本には2大類型として「請負契約」と「準委任契約」があります。ユーザ企業の調達部門はこの2つに分けて考えています。ので、この中で準委任契約が本筋だ、という割り切りにも大きな意味があったと思います。また、その場合でも「指示命令系統」や「現場責任者」という話が出てきます。それらについての解釈もこの中で触れられているという踏み込みがとてもいいと思いました。 回顧 最後に、2011年にIPAから出された「非ウォーターフォール型開発 WG 活動報告書」では私も参加して、日本のアジャイル開発への提言をまとめました。その時はこの名前からも分かるようにアジャイルは非主流でした(非ウォーターフォールって何?)。そしてモデル契約にも取り組みました。でもそれはほとんど使われなかったようです。 日は流れ、メンバーも刷新して、この取引・契約モデルを作成したワーキンググループには永和システムマネジメント・アジャイル事業部の木下さんが参加しています。 今回の発表に関して、木下さんが考え、提案し、議論した記録がここにありましたので、ぜひこちらもどうぞ!そして、WGのみなさん、おつかれさまでした!    IPA の アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」

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