Scrum Master THE BOOK 読んだ

話題の新刊、『優れたスクラムマスターになるための極意ーメンタルスキル、学習、心理、リーダーシップ』を手にしました。オリジナルの書籍名は、 “The Great ScrumMaster: #ScrumMasterWay” です。 悩めるスクラムマスターを勇気付ける、考え方やツールがコンパクトにまとまっていて、イラストもふんだんなとても読みやすい本です。 序文をリンダライジングが書いている 日本語序文は永瀬さんとロシェル・カップさん 日本のスクラム実践者、現役スクラムマスター、プロダクトオーナーが訳者陣! ということで、安心して読めますし、ずんずん読み進められました。 スクラムマスターは、いつでも「悩める存在」です。チームに助言を与えたいのですが、まずは、自分が悩むでしょう。ときには悩み込んでしまってなかなか答えが出せないときもあります。そんな時、どんな指針にしたがって行動したら良いか、、、、先輩スクラムマスターに聞くのもよいでしょう。この本は、そんな悩めるスクラムマスターが開く本として、大切な「考え方」が書かれていて、とてもお勧めできる本です。一家に一冊です(まさにバイブルか五輪書!)。 また、ファシリテーション、コーチング、メンタリング、などのチームとの寄り添い方、コミットメント、説明責任、衝突、責任転嫁、などの責任と役割の話、Positivity などの最新心理学、などなど、読みどころがたくさんあります。 もう1つのお勧めは、ツールボックスとして、根本原因分析、インパクトマッピング(!)もとりあげられていることです。 ぼくとしては、2013年に Impact Mapping を訳しているので、これがツールとして紹介されるのは、とても嬉しいことです。ゴールを達成するために何が効果的か、という作戦作りにうまく機能します。 解説スライドもこちらにあります。 これを訳したときに、解説ビデオを作ったので、こちらもよろしければどうぞ。 訳者陣の方々、いい本を訳してくれて、ありがとうございました!悩めるスクラムマスターに福音となりますように。

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ICONIX を使ったオブジェクトモデリング

OOC = Object-Oriented Conference でお世話になった hiro さん(@hirodragon112)の、#astah セミナーシリーズに参加してきました。 最近アジャイルばかりの話題を書いていて、ソフトウェアデザインの話題は久しぶりです。当日のスライドはこちら。 hiro さんはゆっくり「オブジェクト指向」という言葉の意味や捉え方かたはじめ、 「外部知識が捕捉される」モデルの重要性 を前半で、後半でユースケース分析、ロバストネス分析、を通じてドメインモデルが洗練されていく様子を解説していただきました。(Akaponさんのマインドマップによるレポート) 私も、アジャイルで最低限キープするモデルとして、「1.アーキテクチャ」、「2.ドメインモデル」、「3.キーユースケース(1,2)」を上げています。よく考えると、キーユースケース(2のCommunication 図)は、ロバストネス分析そのものですね(そう書けばよかったな、と今思っている。スライドこちら「アジャイル時代のモデリングと astah さくさく活用」) hiro さん、バウンダリオブジェクトを「横メロン」と呼んだのはさすがですね!astah では、「バウンダリ(横メロン)」、「エンティティ」、「コントロール」などのアイコンをデフォルトでサポートしているので、ぜひ使ってみてくださ。詳しくは、こちらの資料を参照ください。 おーひらさんも、すばやくレポートしてくれました! 以前に、石川さんにも、 astah を使ったICONIX モデルの書き方の記事を書いていただいていました。 ICONIXプロセスのロバストネス分析をastah*でやってみたお話 hiro さんありがとうございまいした(正しい hiro さん)!

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Agile Studio は福井から日本全国へ

コロナ時代において、リモートワーク、リモート開発、リモートマーケティングのスタイルがどんどん変わっていますね。 アジャイルスタジオは、当初、福井でのお客さまとの共創・共育拠点として立ち上げましたが、これを期に、東京ー福井ー沖縄の永和メンバーを結び、東京のアジャイルコンサルメンバーも入り、リモートでのアジャイルコーチングや開発支援を提供しています。 リモート受託開発ももちろんですが、リモートコーチング、内製化支援、リモートでのアジャイルチームの立ち上げ支援、展開支援もサービス提供します。 本当は、福井にみにきて!といいたいのですが、今は「リモート見学」が可能です。会社単位で応募いただければセッションを企画しますのでぜひ!

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Management 3.0 Japan カンファレンスと、『リモートワーク―チームが結束する次世代型メソッド』

9/12(土) Management 3.0 創設者の Jurgen Appeloさんと、Work Together Anywhere の著者、Lisette Sutherland さんのダブル基調講演で開催されるようです。 http://management30.jp/m30jpcon/ ”Work Together Anywhere” は日本語訳が出ています。 TED にも出てたLisetteさんの話を聞いてみたいなぁ。リセットサザランドさんの、Work Together Anywhere. TED talk. はこちらです。 速いインターネット ヘッドセット などの基本に加え、「カメラだけ常時onパターン」、「音声だけ常にonパターン」、「バーチャルオフィス」の3パターンが面白かった。特に、「ミーティングをスケジュールするより、ドアノック」というのが会話パターンとして必要だというのは強く納得する。 「テレプレゼンス」はまだやったことないなぁ。確かに首振り、だけでもだいぶ違うかも。Management 3.0 Japan カンファレンスで、講演聞けるそうです。 http://management30.jp/m30jpcon/ 9/12(土) 。申込はもう始まっています。

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Modern Software engineering with Essence Japan Seminar

昨日オンライン開催された、Essence セミナーの平鍋からのレポートです。冒頭、Ivar Jacobson からもらったビデオを、ぼくが解説しながら流しました。 基調講演 より詳しくはこちら。スライド(PDF)もこちらから。https://essence.ivarjacobson.com/videos/tokyo-keynote-july-21-modern-software-engineering-essence ソフトウェアはビジネス的に大きな成功をおさめているが、それをささえるソフトウェアの工学は未熟なままだ。 これまで発見されているベストプラクティスを、「方法論」の呪縛から開放し、みんなで議論し改良し、使えるようにしたい。 3つのペルソナ=スポンサー、テッククリード、チーム、それぞれの課題は、 スポンサー:2,500万人ものソフトウェアエンジニアがいるのに、工学というより工芸のようだ。毎回新しい方法論や技術が現れ、投資が無駄になる。名の通った Guru の手法(方法論セールスマン)に依存している。チーム間で手法が流通しない。 テックリード:方法論争から開放され、必要なプラクティスを自由に利用したいのだ。それぞれの方法論のいいところをミックスしたい。また、手法ごとに語彙が違う。違う手法を使うと学ぶのがたいへん。 チーム:成功しているアジャイルチームは、自分たちで仕事の仕方を選べるのだ。アジャイルフレームワークに沿って仕事をさせられるのではなく、自分たちでプラクティスを選びたい。バックログをひたすらこなすのではなく、スマートに仕事がしたい。 エッセンスは大学でも教えられている。400年後にエッセンスを見ると、それは、ニュートンやガリレオが400年前にやったことと同じように見えるだろう。 Essence はどの方法論とも競合しない。例えば、Jeff Sutherland の Scrum と協調している。“Better Scrum with Essence” with Jeff Sutherland and Ivar Jacobson) 講演は、「一緒に未来を創っていこう」というメッセージで締め括られました。 角さん(翻訳者)の Essence 解説 とても分かりやすい解説でした。キーコンセプトである、7つのアルファや、例としてのペアプログラミングの記述、カードの説明などなど。本を読んでも難しそうだったコンセプトが明確になったと思います。 鷲崎先生のお話 これまでのソフトウェア工学が、「テーゼ」と「アンチテーゼ」の上下に触れながら、止揚されていく様子を Boehmの資料をもとに解説があり、ポストアジャイルとしての Essence の位置どりが話されました。また、小林さんの Essence を利用した事例も紹介されました。 パネルディスカッション 富士通の宮田さんから、日本のSI、そこで働くSEのあり方を変えていきたい、という力のこもったメッセージがありました。ある意味日本のSE論、とそこになかったものの反省から、知識を蓄えて、これからの創造的なSEのあり方を模索せねば、という危機感というか気迫を感じるお話でした。 富士通クオリティラボの島田さんから、品質保証の立場から、どうやってアジャイルに関与していくか、という戸惑いと思いをお聞きしました。やっぱり「参加していく」ことが重要だと話されていて、品質は「最後のゲート」ではなく、共に作る、ものだと再認識しました。 小林さんは現場視点から、Essence の事例をいくつか見せていただきました。使ってみるとなかなか面白い発見があるものですね。「匠メソッド」のマッピングも面白かった。 ぼくの方は、これまでのソフトウェア工学の Guru たちがこぞってアジャイル側に加担していること、でも、残していくものを残していく器(うつわ)として Essence の役割を話したつもりです。アジャイルの成功は「チーム」の成功、「ビジネスの成功」を基本としていて、それを直結しています。でも、チーム横断、企業横断、さらに産業横断でその体験を蓄積する仕組みがないのです。これはおそらくわざとで、動く実装があってはじめて機能する、というインターネット創生にはじまり、ソフトウェア現場、クラフトマンシップの学びから、まずはチームでビジネスの成功をつくらないと始まらない。企業で知識を蓄えるしくみは、たとえば、野中郁次郎のスクラムには、最初から書かれている(Multi-Learning)。ただ、問題は、いまの大企業のソフトウェア開発が、この「知識トップダウン」になっていること。知識が急激にアップデートされるのに、過去の成功・失敗から取り出された「守るべきこと」の集積になっている。知識のトップダウンを避け、さきに動くチームがなければならないので、順序としてはこれでいいい。次にぼくらがやらなければならないのは、知識を集める仕組みで、企業ワイド、産業ワイドにできるようになるといい。知識のボトムアップ。こここそが、Essence の生きる道、ソフトウェア工学の道ではないか、そして、アカデミアの役割もそこにあるのでは、と思っています。 また、「ソフトウェア工学は工学になりきれていない」という話は、土木工学がもともとエンピリカルであり、そこから、エンジニアリングの力で安定したという話の引用です。Mary Shaw […]

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ありがとう、Scrum Fest Osaka 2020

参加してきました!ぼくは今回はオブラブ枠からの参加です。 スクラムネイティブの方々には、知らない方も多いかと思うので、ちょっと紹介。 ということで、今回の平鍋のトークは、アナログについて話したいと思いながら、デジタルの中でアナログがどこまでできるか、という話をしました。特に、「アジャイル基地をつくるパタン言語」を中心に、そして、そのあとで起こったコロナ禍での場づくりについて。以下スライドです。 たくさんの方に聞いていただき、ありがとうございました。 ぼくは、キーノートを聞いてオンライン飲みに突入し、西原さんと映画談義で沈没した1日目、早起きして2日目はほぼオブラブの部屋を中心にいろいろなチャネルを回って、最後のクロージングを聞きました。印象に残ったことなど、、、 基調講演の永瀬さんのアナログな(??) – デジタルだけど手数とハートのある、zoom トーク。テーマもいいけど、伏線としかけにあっと驚いた。 Agile Japan の discord 上のディスカッションで、彩菜さんの司会力と小林さんの「リアルワールド」、組織との戦いが熱かった。 最後のクロージング、おさらいでの開原さんの変顔タイマー。場づくり力さすがです。 岩切さんのまとめトークのアナログ感と中継感が zoom の中ですごく映えた!地方テレビ局のおうち訪問っぽい。やっぱりアナログ最高。 栃木チームの「餃子後光」。何故か大阪のフェスに行って餃子が食べたくなる。 オブラブ木下さんのアジャイルクイズ「アタック25」は、アジャイルトリビアの連続。(例:2001年、Agile Manifesto の合宿でホテルの予約をしたのは誰?) 天野さんのオンラインでできるふりかえりツール Continuous KPTA お披露目。 参加はできなかったが、伝わりくる「三河の熱量」。 行けなかった XP 祭り枠(;_;) オブラブでも、永和から橋本さんの業務SEからアジャイルへの転身、「アジャイルが降りてきた」話。豊嶋さんの3分ぴったりまとめトーク。様子をうまくまとめてくれた。 実行委員のみなさん、よい会をありがとうございました! discord と zoom という組み合わせで、ここまでたくさんのチャンネルを一体化できるんだ、という気づきがありました。mural, remo, miro といった他のツールを使ったセッションも多く、デジタルでありながら、「手触り」のある会にできるヒントをもらいました。 デジタルな「いま・ここ」性(digital here-now-ness) が、自分の中でさらに加速しました。 (※追記 訪れてくれる人の客足はななかなか少なく、チャンネルがたくさんある分、人気セッションに人が偏った感じがしました。物理的な部屋なら人数が入らなかったら他に流れると思うのだけど、オンラインだとさらに偏重傾向が加速するのだろうか)

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アジャイル基地をつくるパタン言語

日本で「アジャイル基地(アジャイルラボ、アジャイルルーム)」を企画・設計・運営している方々が集まって、これまでの設計のコツや共通の気づきを書いて共有してみよう、という活動をしてきました。 #agilebasepatterns Stay Home が続き、働き方が変わるかもしれませんが、緊急事態宣言が解けた今日をめがけて、これまでの成果を公開します。 もともと、Agile Japan 2020 にサブミットした(そしてリジェクトされた)コンテンツですが、そのままコロナ禍に突入しアジャイル基地自体の意味も変わってくるかもしれません。ですが、今回意地になって書き上げました!これからアジャイル基地やアジャイル部屋を作りたいと思っている方、すでにアジャイル基地を作った方などのフィードバックもお待ちします。 #agilebasepatterns (ハッシュタグ) https://github.com/kenjihiranabe/agile-base-patterns/ 中身をチラ見。。。。。 これは11番の「靴を脱げるリラックススペース」というパタンです。 NTT Communications の Lean Agile Base にある「サバンナ」をアイディアの元にしていますが、永和システムマネジメントにも「和ジャ」と呼ばれるスペースが歴史的に作られてきました。 これは1つの例ですが、複数の場所、組織で繰り返し現れているパタンを収集し、その文脈や解こうとしている課題、周りの他の構造との関連なども含めて文書化しました。全体構造の中での意味が分かって、なかなか面白いパタン言語になったのではないかと思います。 著者(今回のライターズワークショップ参加者)のみなさんです。 アジャイル基地パタンライターズグループ 平鍋 健児(@hiranabe),  永和システムマネジメント – Agile Studio Fuku 岡島 幸男(@okajima_yukio), 永和システムマネジメント – Agile Studio Fukui 岩瀬 義昌(@iwashi86), NTT Communications – Lean Agile Base 水嶋 彬貴(@mizuman_), NTT Communications – Lean Agile Base 蜂須賀 […]

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IPAからアジャイル版「情報システム・モデル取引・契約書」でたよ!

IPAからプレス発表がありました。 DX推進に向け、アジャイル開発版の「情報システム・モデル取引・契約書」を公開 https://www.ipa.go.jp/about/press/20200331.html ざっと見た内容をお伝えします。この特徴や意味についてです。 スクラム用語に統一 アジャイルはもちろんスクラムに限った話ではありません。でも、今回の成果物に出てくる用語と基本となるプロセスフレームワークはスクラムです。ソフトウェア開発の技術的詳細に立ち入らず、プロセスの枠のみを提示しているスクラムが、こういった契約などの問題を扱う際にはちょうどよい語彙なのだと思います。もちろんスクラムはXPと共存もできるので、プロセス面の用語としては、スクラムの定義を持ってくるのが分かりやすでしょう。 さらに、現実的にはスクラムが一番普及している、ということもあると思います。そして、これからアジャイルを組織的にスケールさせる場合も、スクラムを由来とするフレームワークを用いることが多いと思いますので、この選択はとても分かりやすかったと思います。 日本の産業構造への適合 「ユーザ企業」、「ベンダ企業」、「発注」という言葉が出てきます。これは日本で非常に強く残っているSIの形で、ユーザ企業側にIT人材がほとんどおらず「ITは発注されいている」という状況を構造として表しています。現在、Web系の企業や2000年以降に起業した企業はこの形を取っているところは少なくなっているでしょう。また、ユーザ企業でもソフトウェアの内製化が進んでいます。 とはいえ、この構造の中でどうするのか、という考えがないと話が進まないのです。ここを見捨てて、それは古いよ、これからは内製だよ、と言ってしまうと、日本の現在ソフトウェアエンジニアの6-7割を見捨ててしまうことになると思います(ぼくも出自がそこだから逃げ出さずになんとかしたい)。なので、この形での「契約と取引」に踏み込んだことは、とても意味のあることだと思うのです。 チーム体制、特にPO その中で、POが発注側の役割だ、としたのが特によいと思います。こうでないと、「丸投げ」から脱却できないのです。少なくとも要件の変化が激しく市場変化に対応したい、というのが目的であれば。 準委任契約 契約は2社間のものなので、どんな形でも本来よいのですが、日本には2大類型として「請負契約」と「準委任契約」があります。ユーザ企業の調達部門はこの2つに分けて考えています。ので、この中で準委任契約が本筋だ、という割り切りにも大きな意味があったと思います。また、その場合でも「指示命令系統」や「現場責任者」という話が出てきます。それらについての解釈もこの中で触れられているという踏み込みがとてもいいと思いました。 回顧 最後に、2011年にIPAから出された「非ウォーターフォール型開発 WG 活動報告書」では私も参加して、日本のアジャイル開発への提言をまとめました。その時はこの名前からも分かるようにアジャイルは非主流でした(非ウォーターフォールって何?)。そしてモデル契約にも取り組みました。でもそれはほとんど使われなかったようです。 日は流れ、メンバーも刷新して、この取引・契約モデルを作成したワーキンググループには永和システムマネジメント・アジャイル事業部の木下さんが参加しています。 今回の発表に関して、木下さんが考え、提案し、議論した記録がここにありましたので、ぜひこちらもどうぞ!そして、WGのみなさん、おつかれさまでした!    IPA の アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」

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